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研究紹介Study

高圧プレス機を用いた延伸がPPの力学物性及び結晶高次構造に与える影響

ポリプロピレン(PP)は結晶性高分子であり、階層構造を有しています。この階層構造を制御することにより高強度化を目指しています。構造制御の方法には押出成形やロール圧延など様々な方法がありますが、その中で私が着目したのが高圧プレス機を用いた延伸方法です。押出成形やロール圧延では成形品が一軸伸長になってしまうのに対し、プレス機による真上から荷重をかけることにより二軸伸張を可能にしています。これにより成形方法に影響されず、純粋な延伸のみの効果を得ることができます。この方法を用いて、引張試験から力学物性、光学電子顕微鏡、X線から構造解析を行いPPの高強度化メカニズムを研究しています。

圧延による非晶性高分子(PMMA)の高性能化

PMMAは、透明性にとても優れていますが、靭性と剛性は二律背反の関係にあり、高靭性・高剛性を兼ね備えた透明樹脂の開発が求められています。射出成形した結晶性高分子のポリプロピレン(PP)の平板を圧延回数で比較し引張強度の改善を試みたところ、融点以下で圧延をすると圧延後の方が引張強度が上がり高強度化、引張弾性率も上がり高弾性化するということが分かっています。このポリプロピレン(PP)の圧延結果から、圧延という方法で高靭性・高剛性を兼ね備えた透明樹脂を作ることができるのではないかと考え研究を進めています。圧延による影響については、シャルピー衝撃試験を使い靭性について評価し、曲げ試験を使い剛性について評価しています。