熱処理がポリカーボネートの破壊に及ぼす影響
ポリカーボネート(PC)は透明性、難燃性、耐衝撃性に優れており、私たちの生活には欠かせない高分子です。しかし、PCにガラス転移点以下の熱処理を施すと、衝撃値が著しく低下してしまいます。この原因は明らかになっていません。これまでの研究で、熱処理は塑性領域に影響を及ぼすことを明らかにしました。つまり、破壊のメカニズムを理解するためには、変形過程におけるひずみ分布の定量化は必要不可欠です。そこで我々は、ひずみ分布を定量化することのできるデジタル画像相関法(DIC)に着目しました。このDICを用いて、時々刻々と変化するひずみ分布を定量的に解析することにより、熱処理がPCの破壊に及ぼす影響の解明に向けた研究をしています。
ポリプロピレンの異なる結晶高次構造が塑性領域に与える影響 ポリプロピレン耐熱性、耐薬品性、加工性に優れており射出成形や押し出し成形など様々な成形法に対応できます。また、成形時に様々な温度履歴で成形することによって結晶高次構造を変化させることができます。本研究では、EWFや曲げ試験下での塑性領域を観察することにより、ポリプロピレンの結晶高次構造が塑性変形にどのような影響を与えるかを調べています。